めまいの検査について
耳鼻咽喉科におけるめまいの診断について、当クリニックで実施しているめまいの原因を特定するための検査をご紹介いたします。
①聴力検査
聴力低下が関係するめまい(例:メニエール病、突発性難聴など)の診断に必要となります。聴力検査は耳の症状の種類や程度をみます。耳鳴りや難聴などの耳の症状は、メニエール病や、脳腫瘍(聴神経腫瘍)などを診断する決め手の一つとなります。
②フレンツェル赤外線眼鏡(頭位変換眼振検査)
ベッドで仰向きに寝ていただき、平衡機能検査用の赤外線眼鏡をつかい、頭の位置を動かしながら眼の動きを検査します。めまいの症状に応じた眼の振動を見て診断を行います。
③重心動揺計
検査機器の上に直立していただき、体のふらつき具合を診断いたします。目を開けたときと閉じたとき、各1分間ずつ測定します
この検査は直立姿勢に現れる身体の揺れを記録・解析して、身体の平衝(バランス)機能を検査します。この検査によって、めまいの障害がどのような障害かを客観的に詳細に知ることができます。
④シェロングテスト
自律神経失調症によるめまいの有無を調べるための検査です。血圧計を用いながら、安静時(仰向けに寝て頂きます)と起立時の血圧の変化を比較し、自律神経の安定度を診断いたします。起立性低血圧症(注1)や思春期にみられる起立性調節障害(OD)(注2)などのめまいにおける重要な検査の1つです。
注1:起立性低血圧症は、低血圧の一種で、安静臥床後起立した際に血圧の急激な低下(一般的には起立後3分以内に収縮期血圧で20mmHg以上、拡張期血圧で10mmHg以上の低下)が見られる疾患の事です。
注2:起立性調節障害(OD)は、思春期の女子に多い自律神経失調症の一種。めまい・たちくらみが多いとされています。
⑤血液検査
めまいは血圧の異常や脳へ流れる血流量の一時的な低下によっても起こる場合があります。必要に応じて血液検査で高脂血症や貧血の有無などを調べます。
⑥CT
頭部のCTを撮影し、耳鼻咽喉科領域のめまいの主な原因となる内耳の状態を調べます。
クリニックレベルではCTが設置されているところはまだまだ少ない中で、当クリニックでは診断における必要性から座位CTを導入し、めまいの診断にも役立てています。なお当クリニックのCTは通常のCTに比べ大幅に被曝量少なく、1回の撮影で日本での年間放射線量の25分の1です。(胸部レントゲン写真4枚分)